平成２７年３月議会をレポートします! ― 2015年04月09日 22時59分35秒
平成２７年３月、新しい市長が誕生しました。吉川市民は、４期１６年務めた戸張氏から、４４歳で若々しい中原市長に、次の４年間の市政運営を託すことになりました。
さて、3月に開催される議会は、次年度の予算を審議する最重要議会です。
新市長の誕生後間もないことから、時間的な余裕がないため平成27年度の予算は骨格予算となりました。また市長に対する一般質問も、市長の施政方針が示されてからということで、日程が削除されることになりました。
したがって、今回は一般質問のレポートではありません。主な議案審議の内容についてレポートしたいと思います。
○予算について
骨格予算とは、政策的経費や投資的経費が含まれないため、新市長の施政方針に基づいた予算の肉付けは、今後補正予算という形で計上されることになります。
当の骨格予算ですが、提案された内容は、骨格予算にもかかわらず、一般会計で194億9,400万円と平成26年度の予算を７．８％も上回りました。
ずいぶんと骨の太い予算の印象。学校給食センターの完成、PFI事業の施設購入費が含まれているとのことですが、新市長も唖然としたのではないでしょうか。
今後、市長の政策を具体化していくために、どの程度の肉付けを予算に反映できるか、新市長の手腕が期待されています。
議案は全部で22本が審議されました。重要議案は、国の「社会保障と税の一体改革」に関連した条例で、高齢者の介護福祉関連や４月からスタートする子ども子育て支援新制度関連の条例案などが審議されました。
国の説明によると、今回の「社会保障と税の一体改革」の特徴は、消費税増税分から子ども・子育て支援に使われる予算が明確に示されたことです。
つまり消費税８％へのアップ時、国全体で７千億円、10％アップ時には1.1兆円が手当されることで、財源が保証がされました。少子化対策は、未来への投資として強調され最も重要な施策と位置付けられています。国と地方が一体となって、安定的に実施できる体制が整えられたということでしょう
つまり消費税８％へのアップ時、国全体で７千億円、10％アップ時には1.1兆円が手当されることで、財源が保証がされました。少子化対策は、未来への投資として強調され最も重要な施策と位置付けられています。国と地方が一体となって、安定的に実施できる体制が整えられたということでしょう
このような中、吉川市はこれまで、他自治体に先駆け、病児・病後児保育事業の実施や、駅前保育所をキーにした送迎保育を行うなど、優れた成果をあげており、これまでに待機児をゼロにした実績（一時的でしたが）も残しています。
○吉川市議会！子育て支援条例で画期的な条例の修正可決！！
今回の議会では、近来にない画期的な出来事が生まれました。市長の提出した条例案が、一部修正して議決されたのです。
地方議会は、首長との二元代表制といわれますが、実際は首長の権限が強く、議員の存在感はかすみがち。市長の提出議案が否決された例があっても、市長が提出した議案を修正した例は極めて少ないのです。今回の吉川市議会の結果は、議会のチェック機能が積極的に行使された稀有な事例と言えるでしょう。
今回の子育て支援策の目玉は、幼稚園と保育園の一体化ということです。保育園については従来から所得に応じて（＝支払い能力に応じて）保育料を払うという「応能負担」という原則が採用されていました。
新しい制度では、幼稚園も含めて同じように「応能負担」とし、多子世帯の負担軽減（２人目は半分、３人目はタダ）も、同様とするなど、利用者から見た負担の仕組みを統一したのです。
ただし「教育」と「保育」ということでの、事業目的やサービス提供時間などの相違があり、すべてを一体化することは困難なので、従来型の幼稚園も残るなど、当面はわかりにくい点が残された制度改正となりました。（吉川市の場合は、新制度に移行する幼稚園はないので、「応能負担」の利用料が採用される幼稚園はなく、今までどおり）
市が保育時間の必要量を認定する（１号：幼稚園型 ２号：保育園型 ３号：乳児保育）という仕組みも、従来制度が残された状態で行うので、従来の保育認定とほとんど同じと思われます。
○何が画期的か！
市は、国が示した準則というべき「応能負担」の所得階層を参考に、市独自の利用者負担金を示しました。市の示した案は、国の案と階層区分は同じで負担金の金額を市独自に引き下げた内容になっていました。
議会の修正案は、料金設定そのものに変更を加えるものではなく、階層を細分化することで、階段の高さを低くしたということです。
どういうことかというと、階段の段数を8段から18段に増やしたということで、同じ高さに上るのなら、勾配が緩やかな方が楽に上れる（安い利用料で利用できる）ということです。
↓以下は、原案の第5階層を第11、12、13階層に修正した部分の拡大↓
所得に応じて負担するという「応能負担」では、いわば階段が緩やかな方が、登るのに楽なように、階層を細かくすることで、より「負担力」に応じた利用料金を設定でき、負担が楽になるということなのです。
もっとも1段の高さを低くした分、同じ高さまで数段を要するので、その間の高さに相当する分が市の負担になりますが、それほど大きな負担とはならないでしょう。
要は、市の負担を抑えながら、子育て支援の目的を最大限に発揮する修正であったため、議会の支持につながったと考えられます。
もっとも1段の高さを低くした分、同じ高さまで数段を要するので、その間の高さに相当する分が市の負担になりますが、それほど大きな負担とはならないでしょう。
要は、市の負担を抑えながら、子育て支援の目的を最大限に発揮する修正であったため、議会の支持につながったと考えられます。
いずれにしても、地方分権の時代、地方の工夫が求められる中で、画期的な条例修正であったと言えるでしょう。
新市長も、議員提出の修正案を尊重しましたが、タイトな財政状況の中で、「吉川市の市民に対する子育て支援の姿勢」を、積極的に示した修正と、とらえたものと思われます。
コメント
_ 新市長！結果を出すことに焦りがあったか？ ― 2015年05月12日 22時27分57秒
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_ leg an foot pain ― 2017年07月04日 07時05分51秒
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庁舎建設計画のことです。
吉川市の現在の庁舎は、老朽化が進んでおり、災害対策の司令塔として大丈夫なのか、不安が高まっています。
そこで新庁舎の建設は、かなり以前から取り組まれてきました。平成24年からは検討組織が作られ、基本構想、基本計画などの策定も行われ準備が進んできました。
その後、事業スケジュールも公表され、平成28年度末には新庁舎が完成することにもなっています。 さて庁舎の建設となると、費用も大きなものとなりますが、期間もかかります。検討を進めている間に、外部環境が変化するなど想定外のことも起こりえます。
庁舎の建設費については、建設資材の高騰などがあり、基本計画策定時に31億円とされたものが、基本設計時には52億円に跳ね上がったというとがありました。
この間、新市長が誕生し、新市長としては、実施設計において、可能な限り建設費の縮減に努めたことをアピールする狙いがあったものと思われます。
その説明会が、先の4月27日に開催され、実施設計の内容について説明がありましたが、どうもよくわからない。
説明会は、実施設計の内容の説明ということだったのですが。
①示された実施設計では、東洋ゴムの免震装置を使うことになっており、同装置の大臣認定が取り消されたという説明。結局のところ実施設計自体が、役立たないということであり、設計は完成されていないという意味ではなかったのか。
②建設費用の縮減は、税金を投入する以上、極めて重要ですが、基本設計で必要と考えた機能を、丸ごと削って費用を縮減したという説明は、縮減ではない。なぜ、その機能（たとえば屋上緑化）が不要と判断したかの理由、あるいは代替え機能を考えたのかの説明がないと、縮減ではなく削除ではないか。
③説明では実施設計で４億何がしの費用を縮減したとの説明だったが、実施設計の完成に必要な部材の確保できるかわからなくなったと説明するのであれば、建設費用の縮減自体も不透明ではないか。要するに４億何がしの縮減自体、わからないということではないか。
まだ、結果は出ていない。